診断方法

画像診断

1.RI脳槽・脊髄液腔シンチグラム
  現時点では,脳脊髄液減少症に関して最も信頼性の高い画像診断法である。 下記の1項目以上を認めれば髄液漏出と診断する。
(1) 早期膀胱内RI集積
  RI注入3時間以内に頭蓋円蓋部までRIが認められず,膀胱内RIが描出される
(2) 脳脊髄液漏出像
  くも膜下腔外にRIが描出される
(3) RIクリアランスの亢進

脳脊髄液腔RI残存率が24時間後に30%以下である
【注意点】
・穿刺後の髄液漏出を最小限にするため,細いルンバール針を用いる。
・注入後3時間は臥床を保つ(RIの早期頭蓋内移行を避けるため)。
・座位・立位での漏出をみるため3時間以降は安静臥床を解除する。
・小児の髄液循環動態は不明な点が多く,慎重な判断を要する。

2.頭部MRI
  鑑別診断および脳脊髄液減少症の経過観察に有用であるが,特に慢性期においては下記の特異的な所見を示さないこともあり、あくまでも参考所見とする。
なおMRI施行の際には、水平断撮影では脳の下方偏位を見落とす可能性があり、矢状断撮影,冠状断撮影の追加が推奨される。
(1) 脳の下方偏位
  頭部・頭頂部の硬膜下腔開大、硬膜下血腫、小脳扁桃下垂、脳幹扁平化、側脳室狭小化
(2) 血液量増加
  びまん性硬膜肥厚,頭蓋内静脈拡張,脳下垂体腫大
【注意点】
・“びまん性硬膜肥厚”は決して頻度の高い所見ではないため、この所見を欠いても脳脊髄液減少症を否定できない。
・ガドリニウム造影は、びまん性硬膜肥厚や頭蓋内静脈拡張などの判定を容易にするが造影剤アレルギーに十分に注意する必要がある。

3.MRミエログラフィー
機種および撮影法の違いによる差が著しいため、参考所見に留める。
(1) 明らかな漏出像
  腰椎筋層間における髄液貯留像
(2) 漏出を疑わせる所見
  硬膜外への髄液貯留像,神経根での髄液貯留像、腰部くも膜下腔外での砂状のT2強調高信号


その他の診断法

1.腰椎穿刺での髄液圧
一定の傾向がなく正常圧であっても脳脊髄液減少症を否定できない。
【注意点】
・初圧が6cm水柱以下の時は脳脊髄液減少症の可能性がある。
・脳脊髄液の性状については一定の傾向はみられない。

2.硬膜外生理食塩水注入試験
腰部硬膜外腔に生理食塩水を20~40mL程度注入し、1時間以内に症状の改善を認めた場合には脳脊髄液減少症の可能性が高い。

鑑別診断すべき疾患
 ①機能性頭痛(緊張型頭痛,後頭神経痛,片頭痛、群発頭痛など)
 ②頸椎捻挫(椎間板症,椎間関節症、神経根症、筋筋膜性疼痛など)
 ③頸椎変性疾患(頸椎症,頸椎椎間板ヘルニアなど)
 ④中枢神経脱髄および変性疾患(多発性硬化症、脊髄小脳変性症,パーキンソン症候群など)
 ⑤脳梗塞,良性頭蓋内圧亢進症,正常圧水頭症、脳・脊髄腫瘍,甲状腺疾患,副腎疾患,膠原病,結核,うつ病,メニエール病,関節リウマチなど

(脳脊髄液減少症研究会ガイドライン作成委員会、脳脊髄液減少症ガイドライン2007、16頁17頁)

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